歯茎が痩せた・歯が長くなった
TROUBLE歯茎のトラブルは当院で解決できます
歯肉退縮について
歯茎が痩せたり、下がってしまうことを「歯肉退縮」といいます。日本人は生まれつき歯肉と骨が薄く歯肉退縮を引き起こしやすいとされていて、日頃から対策が必要と言われています。そんな歯肉退縮について、引き起こすリスクや対策について解説します。
歯肉退縮の初期症状
- 歯ぐきが赤くなったり変色する
- 歯ぐきが腫れている
- 歯磨きをすると出血する
- 慢性的な口臭がある
歯肉退縮が引き起こすリスク
審美性の低下
歯肉退縮が進むと、歯の表面が徐々に露出していきます。それに伴い、歯が長くなったように見えてしまい、審美性を保てなくなります。
歯根の露出に伴う知覚過分
歯根が露出することにより、歯が低温のものや甘い食べ物、接触に対して非常に過敏になり不快感をもたらします。
歯と歯肉の間に隙間ができる
歯周ポケットが露出することで隙間ができ、食べカスなどが付着しやすくなります。これによりメンテナンスしづらい状態が生まれます。
う蝕(虫歯)
歯茎が下がることで本来歯肉に覆われていた部分が露出しバリア機能が低下することから、虫歯になりやすくなります。
歯のぐらつき
歯肉退縮を来した歯茎には、骨の裏打ちはありません。重篤な歯周病が潜んでいる可能性もあります。
歯肉退縮の4つ原因
歯槽骨が薄い
歯槽骨は、歯と歯を支える大切な役割を担う骨ですが、他の骨とは異なり、元に戻りません。虫歯や歯周病で溶けてしまった場合や、治療で削ってしまった場合は埋めない限り失われたままです。また、嚙み合わせが悪いことで自然に削られている場合もあります。
歯周病
口内環境が悪化すると歯周病になったり歯周病が重症化したりします。そうなることで歯槽骨が溶かされ歯槽骨を覆う歯肉も下がります。
不十分なケア
普段の歯磨きが行き届かないことで歯垢(プラーク)や歯石が付着し歯周病を引き起こします。虫歯によって歯槽骨が溶けてしまうことも歯肉退縮の原因となるため、口腔内を清潔に保つようにしましょう。
過度なブラッシング
必要以上に強い力でブラッシングすることで歯茎を傷つけてしまうと炎症につながります。優しく磨くことがポイントです。また、毛先が乱れた歯ブラシだと歯垢を掻き出しきれないこともあるので交換をお勧めします。
応急処置と注意点
歯周病で痛い時はロキソニンを服用
歯周病で歯がグラグラして痛い時は市販のロキソニンSを飲んでください。ロキソニンSは炎症を抑える働きがあるので、痛みが軽減します。
硬い物やねばつく物を控える
歯がグラグラしている時に硬いものや粘着性のあるものを食べると、歯に負担がかかって動揺が大きくなることがあります。グラグラしている歯は安静にして咬まないように注意します。
早期に歯科医院を受診する
歯がグラグラしているということは歯や歯肉の状態が悪いサインです。早めに歯医者を受診して、治療する必要があります。そのままにすれば抜歯の可能性が高くなります。
歯肉退縮の治療法
歯周病が原因の場合
歯周病は歯を支えている骨が溶けていく病気です。歯周病が進行すると歯がグラグラと動き出し、最終的には抜けてしまうこともあります。歯周病は進行してからの治療は困難です。定期的なメインテナンスをして予防することが大切です。
歯の維持率50%の際の治療
歯周病で歯の周りの骨が半分ぐらい溶けると歯がグラグラし始めます。歯の周りの汚れや歯石を取ると歯肉が引き締まり、歯のグラグラがなくなってきます。その後はそれ以上悪化しないように定期的なメインテナンスを行います。
歯の維持率30%の際の治療
歯の周りの骨が溶けて30%程度までになると全体的に歯がグラグラしてきます。グラグラしている歯は咬むたびに揺れが大きくなります。
そのため、奥歯は咬んだ時に強い力がかかるため、冠などでつなぐ永久固定(えいきゅうこてい)、前歯は接着剤でつなぐ暫冠固定(ざんかんこてい)が行われます。だたし、被せ物の状態などによって固定方法は変わります。
歯の維持率20%の際の治療
歯の周りの骨がない場合は抜歯を行います。無理に残すことによって周りの歯の骨まで溶けてしまうことがあります。その後はブリッジ、入れ歯、インプラントなどの治療を行います。
歯ぎしりが原因の場合
歯ぎしりは歯に異常な力が長時間かかるため、支えている骨がダメージを受けて、歯がグラグラしてきます。歯は通常、食事の時に接触している時間は1日20分程度です。しかし、歯ぎしりをしている方は無意識に強い力を1時間以上歯にかけています。歯の動揺の他にすり減ったり、欠けたり、割れることもあります。
治療法
自分で硬いものを咬まないようにすることと、意識がある時に食いしばらないように注意をします。また、寝ている時は無意識に歯ぎしりをしてしまうのでマウスピースを使って歯への負担を少なくします。
被せ物や土台が外れている場合
土台や被せ物が外れていると歯がグラグラしてきます。被せ物は接着剤で歯と付けられています。被せ物や接着剤が劣化してくると外れて歯がグラグラしてきます。また、被せ物と歯の隙間から虫歯になると外れやすくなります。
治療法
早期の治療が必要です。そのまま放置すれば虫歯が進行したり、歯が割れて抜歯になることもあります。歯も被せ物なども虫歯や劣化が起きていなければ、そのまま歯科用セメント(接着剤)で付け直します。残っている歯が虫歯であったり、被せ物などが劣化していれば治療をやり直します。
しかし、何度か繰り返すと残っている歯が薄くなり、最終的には割れて抜歯が必要になります。
歯の根が割れている場合
歯が割れてしまうと歯がグラグラとなり、場合によっては歯肉が腫れたり、強い痛みを伴うことがあります。神経がない歯は枯れ木と同じ状態で徐々に水分が抜けて割れやすくなります。
治療法
歯の割れている部分が根の先まで及んでいなければ、歯の亀裂を接着剤で付けたり、割れている部分まで部分的な矯正で引っ張り上げたりして、歯を保存します。しかし、根の先まで割れ、細菌が感染してしまっている歯は抜歯することになります。
根の先に膿がたまっている場合
歯の根の先に膿がたまり、根の周りの骨がなくなってくると歯がグラグラしてきます。根の先にたまっている膿のことを根尖病巣といいます。歯の神経が入っている根管が細菌感染することによって生じます。
治療法
歯の根の治療を行います。歯の根は形態が複雑なため、丁寧な根管治療が必要になります。根管治療だけで改善しない場合は根の先を切断する歯根端切除術を行い、歯を保存する治療をします。
歯肉退縮の予防法
予防法を知ることで歯肉退縮のリスクを軽減し、回避することが可能です。
歯周ポケットのクリーニング
歯茎が痩せたり下がったりするのも、歯が抜けてしまうのも歯周病が原因です。日常の歯磨きでは磨きにくい歯と歯の間もフロス(歯間ブラシ)などを用いて清潔に保つことで更なる予防効果が見込めます。
バランスのよい食事
「ビタミンA.B.C」は歯肉退縮の軽減に役立つ働きがあります。これらのビタミンを取り入れたバランスの良い食事で免疫力を高め予防しましょう。
血流をよくする
血流がよくなると免疫力も高くなるため、こまめな運動やランニングを取り入れましょう。細菌への抵抗力が期待できます。タバコには血流を悪くさせる成分が含まれているため、注意が必要です。